⑤主体的であること。全ては自分の責任という考え方。
スティーブン・R・コヴィー氏によって書かれた
【7つの習慣】
全世界で4000万部以上の売り上げを誇る大ベストセラーです。
ここに書かれている、第一の習慣に
【主体的であること】
があります。
私はこの考えが人生で最も大切なことの一つになるほど重要だと認識しています。
主体性を意識することで、人生が大きく変わりました!
自分の人生は自分でコントロールしていく。
幼い頃からこの考えを持った子供達が増えていったら、世界がより良く成長できるんじゃないかと思います。
私自身、まだまだ未熟ではあるのですが。
できるだけ、わかりやすく。子供にも分かるように。
【主体的に生きること】の素晴らしさを伝えていきたい。
今回は、そんなお話。
刺激と反応の間
夢中で遊んでいたおもちゃをお友達が急に横取りしてきたら。君達はどうする?
怒って、すぐにおもちゃを取り返しに行く!
悲しくなって泣いちゃうかも。それで誰かに助けを求める。
このような状況の時。
お友達が自分のおもちゃを突然横取りしたこと。
これが【刺激】
そして
咄嗟におもちゃを取り返す、または誰かに助けを求めて走り出す。
この選択を【反応】といいます。
A君はどうして、おもちゃを取り返しに行くの?
突然取られたら誰だってムカつくじゃん!
Bちゃんはどうして誰かに助けを求めるの?
悲しくなるからかな。
刺激には感情が伴います。
ムカついたから、悲しくなったから。
このように感情を行動の理由にする人を
【反応的】な人とします。
一見、この一連の流れは当然のように感じますよね。
何々されたから、こうする。
大抵の人はこのように考えます。
でも、その考えを一度否定してみてください。
刺激からの感情は行動の理由にはならない。
ムカついたり悲しかったからといって、全ての人が同じ行動をとるとは限りません。
例えばいつも冷静なCさんは。嫌なことをされたとしても、
あの人は今日イライラしてるのかもしれない。自分にもそういうときはあるよな。ちょっと話しを聞いてあげようか。
などと考え、相手に文句を言う代わりに、相手の悩み相談にのってあげたとします。
どちらが良いかという問題ではないです。
この時どうして話しを聞いてあげたのかと、行動の理由をCさんに聞いたら。
きっとムカついたからとは言わないでしょう。
何か悩みがあるんじゃないかと思ったから。
と答えるはずです。
ここが重要!
感情と行動の間の自分の考えを説明することができる。
これこそが【主体的に生きる】ということなんです。
感情を理由にするということは、責任を他人に押し付けるということ。
何か、自分が望まない結果になったとき。人はその原因を探ろうとします。
ムカついたのは誰のせい?
悲しくなったのはだれのせい?
と、考えてしまうのです。
もしAくんがむりやりおもちゃを取り返しにいって、けんかしてる途中でおもちゃが壊れてしまったら。それは誰のせいだと思う?
そんなの相手が悪いに決まってるよ!もともと無理やりおもちゃを横取りされなければこんなことにはならなかったんだから。
つまり、
刺激→感情→反応→結果
という解釈をしている限り。原因は全て刺激(他人)にあるという考えから抜け出せない。
でも、仮にCさんが相手に優しく声をかけたにも関わらず、イライラしている相手からさらにひどい言葉をかけられたとします。
Cさんはまたまた嫌な気持ちになるでしょう。
その嫌な気持ちは誰のせい?
うーん。結果的には余計なお節介だったかな。
誰のせいかといえば、情けをかけようと行動した自分が原因だよね。
と答えました。
Cさんの思考はこうです。
刺激→感情→【自分の考え】→反応→結果
行動の理由を明確にできる人は、自分の行動に責任を持てる人なんです。
目的論
多くの人が、結果には原因があると考えるのではないでしょうか。
過去の出来事が現在の状況を作っているという考え方ですね。
しかし、今回の主体的に生きるという考えにおいては、違う視点を持つと良いのです。
それがいわゆる、アドラーの目的論。
原因論の真逆。目的がいまの状況を作り出すという考え方です。
先ほどの例を参考にすると。
Aくんはおもちゃを取られ、怒り、取り返しに行くという行動をとりました。
原因論でいえば、Aくんが怒り、取り返しに行くという選択をした原因は、おもちゃを横取りしたお友達にあるといえます。
しかし、まえにも説明したとおり。おもちゃを横取りされてから取る行動はひとそれぞれ違うのです。
Aくん、Bちゃん、Cさん。
原因がみんな同じだとしても、それぞれ結果が違う。
当たり前のように信じてた、過去の出来事が今の状況を作り出しているという考え方に、疑問が出てきませんか?
そこで目的論が生まれるのです。
Aくんは行動の理由を上手く説明することができませんでしたが、行動にはなにかしらの目的があるもの。
例えば、お友達になめられたくないだとか、周りに自分の強さをアピールしたいだとか。
同じようにBちゃん、Cさんにもそれぞれの考えがあります。
ならばそれが無意識だとしても、目的があって行動する以上、それが引き起こす結果はすべて自分の責任だと言えるのではないでしょうか。
そして、結果を作り出したのはそれぞれの目的。
つまり、過去が今を作るのではなく。
未来が今を作る。
ということになるのです。
感情や他人からの刺激に流されてしまったとしても、目的や行動を最終的に決めるのは自分しかいませんよね。
でも決して、悪いのは自分のせいだから全て抱えこめということを言ってるわけではありません。
自分に責任があるということ。
それはつまり、人生は自分でコントロールしていけるということなんです。
うーん。でも自分が悪いわけじゃないのに。
ムカつくって気持ちは変わらない。
感情はそのまま受け止めればいいんだよ。
大事なのは、感情を受け入れてから。
具体的にどうやって自分をコントロールしていけばいいか考えてみましょう。
4つの力
人は生まれつき、4つの力を備えてます。
自覚・想像力・良心・自由意志
なんかカッコいいけど、よくわからない。
先ほどの例を使って、簡単に説明します。
まず、自覚とは。
お友達におもちゃを横取りされたときに感じる感情をしっかりと把握することです。
怒り、悲しみ、驚きなど。
感情は自分でコントロールできません。そこには善悪もありません。
なので、ありのままを受け入れることが大切です。
こんなことを感じていいのかとか思わなくていい。
客観的に自分はいまこんな感情なんだ。と自覚します。
次に想像力。
怒りに任せて、相手に暴力をふるってしまったとしたら、どんな状況になってしまうだろう。とか、このままやられっぱなしではまた次も同じような展開が起きてしまうかもしれない。とか、いまの状況の先を見通す能力です。
そして良心。
力を誇示するために暴力をふるうことは、良いことなのか?
など自分の中にある善悪の価値観で行動の正しさを自問すること。
最後に自由意志。
自覚・想像・良心をふまえて。
自分が望む結果にたどり着くための反応を選択すること。
なんとなくわかったけど。この4つの力を一瞬で発揮することなんてできるの?
すぐには難しいと思います。というか子供にはこんな理論的な考えはできませんよね。
絶対むりむりー!
自分の中のヒーロー
そこで試してもらいたい方法があります!
それは憧れのヒーローを見つけるということ。
アニメや漫画の世界でもいい。
実在する有名人とか近所のお兄ちゃんや両親など、自分がすごいなと思える人。
こうなりたいなと思える人を探してください。
そしてその憧れの人を自分の行動の指針とするのです。
なにか刺激が起きたとき。
すぐに反応せず、一度立ち止まる。
そして、
「こういうとき、あの人ならどういう行動をとるだろう」
と考えるのです。
なるほどー。これならできるかも。
誰かの行動や振る舞いを真似ることは、主体性があると言えるのか?と思われるかもしれません。
しかし、私個人の意見としては。
そもそも憧れの人を選ぶという行為が主体的であるということ。
ならばその理想に近づきたいという目的をもって行動した結果がどうであれ、その子が責任を他人になすりつけるようなことはないのではないかと思うのです。
まだまだ自分は未熟だなとか、ちょっとだけ憧れに近づけたかなとか。
そういう感想が出るということは、自分の人生をコントロールできているということ。
だから最初は、憧れからスタートするのが良いと思います。
そして、徐々に経験を積んでいくことで、自然と自分自身の4つの力を発揮できるようになっていく。それが理想の形なのかもしれません。
終わりに
主体性について、少しは伝えられたでしょうか。
主体性を意識して社会を眺めてみると、自分の人生を生きられてない人がたくさんいることに気が付きます。
人はどうしても流されやすい。
そして、他人からの評価が気になるもの。
でもそんなときほど、今回の話を思い出してほしい。
一時の感情に流されないで。
コントロールできないことに意識を向けないで。
自分はこの先、どうなりたいのか。
そのために必要な選択は何なのか。
それだけに意識を集中させていけば。
自分が選んだと胸を張れる。
素敵な未来がいまにたどり着く。
私はそう信じています。